20日から中国を訪れている北朝鮮の金正日総書記が25日北京入りし、胡錦濤国家主席ら中国最高指導部と会談した。北朝鮮への食糧支援や経済協力、核問題を巡る6カ国協議の再開などが話し合われたとされる。

また、韓国紙・中央日報によると、両者は画期的な「経済協力契約」を事実上妥結したという。

この経済協力で、両国は、すでに12月には合意していたとされる、両国の西方の国境近くにある黄金坪と東方の羅先特別市を共同開発・管理を進める。

羅先特別市では、30日に中国の琿春と北朝鮮の羅津港を結ぶ道路の補修工事が始まる。中国が石油プラントや港湾施設の建設を進めることで合意した。羅先は1991年に北朝鮮が経済特区に指定して外資企業の誘致に取り組んだものの、インフラが整っていなかったため失敗している。そこから北朝鮮は、中国の資金や経験を全面的に受け入れて、国際貨物の中継拠点、輸出品の加工拠点として羅先を育成したい考えだ。一方中国にとっても、この琿春から羅津港までの道路が完成すれば、東北三省の資源を中国の東部、南部に輸送する際のコストを3分の2程度削減できるというメリットがある。

黄金坪も、中国資本で工業団地などを整備し、製造と物流の拠点にする計画だ。50年間の開発権を中国が獲得し、28日には起工式が行われる。

これらの動きには、2012年に「強盛大国の門を開く」と目標を掲げている北朝鮮の焦りが伺えるが、それを好機としたのは中国だ。この大規模開発への積極的投資と引き換えに中国が得たものは、東海(日本名・日本海)への出海権だ。羅先は中国・北朝鮮・ロシアの3国の国境付近にあり、ここからの出海権を得られれば、中国はこれまでわざわざ韓国を回って入ってきていた日本海に直接出てくることができる。中国にとって海洋覇権を握るには格好のルートが確保された。(吉)

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