《ニュース》

米司法省は新型コロナウィルスの起源をめぐる調査において、連邦記録の隠滅などに関与したとして、アンソニー・ファウチ前国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長の元顧問デビッド・モレンズ氏を起訴しました。これを受け、ファウチ氏に対しても訴追を求める声が再燃し、コロナの真相究明と責任追及の動きが加速しています。

《詳細》

モレンズ被告は2006年から2022年まで、「コロナ対策の顔」として知られるファウチ氏の上級顧問を務めていました。

司法省は28日、モレンズ氏が、「コロナが中国の武漢ウィルス研究所から流出した」という指摘を抑圧するために、意図的に情報を隠蔽し、記録を改ざんしていた容疑で起訴したと発表しました。起訴状では、モレンズ氏が、武漢ウィルス研究所と長年、コロナウィルスの共同研究をしていた非営利団体「エコヘルス・アライアンス」に対し、NIAIDが多額の資金提供を行っていたことを隠蔽していたことが追及されています。また、ウィルスの毒性や感染力を高める「機能獲得研究」について情報開示請求が行われた場合に、情報が漏洩しないよう、私用のGmailを使うなどの「裏ルート」でファウチ氏に情報を送っていたことなどが告発されています。

具体的には、武漢研究所からの漏洩説が注目を集める最中の2020年4月25日に、モレンズ氏は「エコヘルス・アライアンス」の元代表ピーター・ダザック氏に対し、公式のメールアカウントではなく、個人のGmailアカウントを使用してやり取りするように指示。「NIAIDの上級職員1(ファウチ氏)は承知しており、アメリカ国立衛生研究所(NIH)内ではあなたや同僚、NIHとNIAIDへの被害を最小限に抑えつつこの件を乗り切るための取り組みが続けられている」とダザック氏に伝えたとされています。

2021年2月24日には、モレンズ氏が、ダザック氏とジェラルド・キッシュ氏(ボストン大学医学部の感染症研究者)に対し、「情報公開請求を受けた後、調査が始まる前にメールを消す方法をこちらの情報公開担当の女性から教わったので、私たちはみんな安全だと思います。それに、以前のメールのほとんどはGmailに送信した後、削除しました」とメールするなど、繰り返し隠蔽工作を行っていたことが詳述されています。

また、こうした「裏工作」に対する謝礼として、ダザック氏はモレンズ氏にワインを贈り、モレンズ氏はそのお礼として、著名な医学雑誌に「コロナは自然起源である」と主張する科学論評を掲載したことなどが指摘されています。

トッド・ブランシュ司法長官代行は「これらの疑惑は、世界的なパンデミックの最中という、アメリカ国民が最も信頼を必要としていた時期に、重大な信頼の侵害があったことを示している」としています。

有罪判決を受けた場合、モレンズ氏は、アメリカに対する共謀罪に加え、連邦捜査における記録の改ざんなどの罪で、最高で懲役51年の刑に処される可能性があります。そうなれば、78歳のモレンズ氏にとっては、事実上の終身刑となります。

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