通っているキリスト教会が政府非公認だという理由で、警察につきまとわれ、家族まで嫌がらせをされる――。CNNサイトの「Belief Blog」に28日投稿された記事で、28歳の中国人女性がそんな宗教弾圧の実態を“Water”という匿名で語っている。以下、概要。

・Waterが属しているのは中国最大の非公認プロテスタント教会のひとつ、守望(Shouwang)教会。同教会は3週間前、当面あらゆる活動を停止するよう政府から命令された。政府は同教会の活動を非合法だとしている。同教会によれば最近数ヵ月で200人以上の信者が逮捕または拘束された。同教会は昨年11月には当局によって賃貸事務所から追い出され、以後は野外活動を余儀なくされている。

・Waterがキリスト教を信じるようになったのは、中国共産党の教えでは「心がカラッポ(empty)なままだから」だという。Waterは静かに神に祈ることを望む一信者だが、ここ3週間、自宅前や教会の集会場所で警察につきまとわれ、2週間前には警察に一晩、拘禁された。「無視しようとしても、警察は毎日、前の日と違うやり方で嫌がらせをしてくる。家族や職場や家主にまで嫌がらせをされるので、いつまで耐えられるかわかりません」

・26日付の中国政府系英字紙「Global Times」は社説で、中国政府がこうした“家庭教会”に手をこまねいているとしながら「中国には信教の自由が存在する」とし、守望教会については「宗教にとどまらず政治に手を出したのは教会にとってタブーである」としている。守望教会側は翌27日「自分たちは政治活動などしていない。当局は宗教活動を政治問題にすりかえている」との声明を発表した。同教会は今回の弾圧を「霊的戦い(a spiritual war)」と呼んでいる。

信教の自由は、心の中で神仏を信じる自由であり、心の自由がなければ他のどんな自由も空しい(empty)。中国政府は世界標準である信教の自由を実現せずして、真に国際社会の仲間入りをすることはできないだろう。記事はWaterのこんな言葉で結ばれている。「つかまって拷問されるのが、すごく怖い。拷問された人の話は……たくさん聞いていますから」(司)

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