インドネシア訪問中の中国の温家宝首相は30日、ジャカルタで講演し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国と領有権を争う南シナ海問題を念頭に、多国間協議ではなく「二国間ルートを通じて適切に解決する」と主張した。

昨年のASEAN議長国のベトナムとは南沙諸島や西沙諸島などの領有権争いで激しく対立したが、今年の議長国インドネシアとは領有権問題を抱えておらず、ASEANが多国間協議に持ち込もうとしているのに対し、5月上旬のASEAN首脳会議を前に、中国は先手を打ちにいったと思われる。

また、温首相は「中国は地域協力におけるASEANの主導的役割を断固として支援する。それを必ず堅持していかなければならない」と述べて、暗に米国の介入に対する拒否姿勢を示したが、これはベトナムが南シナ海問題で日米と協調したことを教訓としているのだろう。昨日も中国の南シナ海における実効支配強化の動きを伝えたが、中国はあらゆる方法で臨んできている。(吉)

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