100年以上の歴史を持つ米ホワイトハウス記者協会晩餐会は、毎年、全米のマスコミのホワイトハウス特派員や、メディアのトップ、各界の著名人たちがワシントンD.C.のホテルに集まり、大統領が参加してウィットの効いたスピーチをすることが伝統となっている。

大統領就任後、大手メディアへの批判を込めて欠席していたトランプ氏は4月25日、初めて、大統領として参加したことで、あらゆるメディアが晩餐会の様子を生中継し、全米で大きな話題となっていた。

晩餐会にトランプ氏やメラニア夫人、J・D・ヴァンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官、ブランシェ司法長官代行などが勢揃いしたところに、トランプ氏と政権幹部の暗殺を図ろうとした複数の銃を持った男が乱入して発砲し、2000人以上のゲストが参加していた会場は大混乱となった。トランプ氏らは避難し、撃たれた警備員も防弾チョッキを着ていたため無事だった。

直後にトランプ氏ら政権幹部は、ホワイトハウスで記者会見を開いた。トランプ氏は、「ショッキングだったが、警備は完璧に動いた」「近々晩餐会を開催する予定だ」などと、積極的な面を強調した。

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晩餐会の格好のまま会見に臨むトランプ氏、パテルFBI長官、ブランシェ司法長官代行(画像はFOX ニュースの報道をキャプチャー)。

乱入した男は取り押さえられ、名門カリフォルニア工科大卒でエンジニアや塾の教師として働いていた、アンチトランプの民主党支持者(2024年11月の大統領選では民主党大統領候補のカマラ・ハリス氏に投票)の31歳の男と判明した。

FOXニュースのアンカーいわく「地球で最も厳重な警備体制」とされた会場に、なぜ、狙撃犯が侵入できたのかは、不明な点が残っている。会場となった「ワシントン・ヒルトン」は、毎年大統領が参加する祈祷朝食会などにも使われる有名なホテルだが、1981年にレーガン大統領が暗殺未遂で銃撃された場所でもあり、会場への出入り口が何カ所もあり、内部が複雑な構造をしていることも原因とも考えられる。

この事件は、トランプ氏への3度目の暗殺未遂として報道され、ホワイトハウスは、民主党関係者やメディアがトランプ氏を「悪魔化」する言論を続けてきたことが政治的暴力につながっていると指摘。多くの保守系識者も「左翼の暴力化」を批判した。

トランプ氏や保守活動家への中傷で有名で、アカデミー賞の司会を4回務めたコメディアン、ジミー・キンメル氏は、事件の2日後に、メラニア夫人について「あなたは美しい。まるで未亡人になるのを待つ女性のようだ」と悪質なジョークを飛ばし、メラニア夫人やトランプ氏、保守系から非難を浴びている。