米軍の普天間基地移設問題で、政府は代替施設を沖縄県名護市の辺野古地区に移設し、「V字型」の滑走路を建設する方針を固めた。6月までに開催予定の「日米安全保障協議委員会(2プラス2)」での正式合意を目指す。

普天間基地の移設をめぐっては、2006年の自民党政権時代に日米で「辺野古」に「V字」滑走路を建設することで合意。しかし、2009年夏の総選挙で民主党の鳩山由紀夫代表(当時)が「県外移設」を主張して政権交代を果たした。

この結果を受け、一度は辺野古移設を受け入れようとしていた沖縄県民も、「県外移設」に希望を抱き、県内で基地移設の反対運動が再燃。2010年11月の沖縄県知事選では、自民党寄りだった仲井真氏も「県外移設」を主張し始めた。

結局、民主党政権は約2年間の迷走の末、今回06年の合意案に戻ったわけだが、北沢俊美防衛相は5月7日に沖縄を訪問し、仲井真知事に「V字案」への理解を求めるという。

この迷走劇は、民主党の「地域主権」という考え方が生んだものだが、突き詰めれば、「沖縄のことは沖縄県民の『民意』に任せる」という論理であり、単なる「中央政府の責任逃れ」に過ぎない。震災の復興と同じように、国防も政府が率先して進めるべきだ。民主党政権は、今度こそ沖縄県を説得して、国防の強化を果たさなければならない。(格)

※現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。近日中に有料購読に移行予定です。

【4月30日分ニュースクリップ一覧】
普天間移設は、辺野古に「V字」の方針
「拷問が怖い」中国人クリスチャン女性
中国、南シナ海問題でインドネシアに接近か
ドクターヘリの導入が進む
ロイヤル・ウェデングにもUFOが祝福!?