2026年6月号記事
イランをどう見るか
国際社会の関心が注がれているイラン問題をどう考え、いかにして解決すべきか。
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イランをどう見るか ─ Part 2 イランを押さえ、中国を追い込む戦略家トランプ
イランを押さえ、中国を追い込む戦略家トランプ
イラン側は、「ホルムズ海峡を封鎖して世界経済を人質にとれば、悪化する経済に耐えられなくなったトランプ氏は撤退せざるを得なくなる」と想定していたと言われている。
だが日本のメディアを含め、トランプ氏の真意を十分に捉えきれていない。トランプ氏は思いつきで動いたのではなく、経済が多少悪化することは織り込んだ上で、「次の2つの大目的を完遂するまでやり遂げる」と見るべきだ。
攻撃目的(1)
イランの核開発を止めるには軍事介入しかない
まずトランプ氏の狙いの1点目は、「イランの脅威をなくし、核武装を断念させる」ことにある。
もともとオバマ政権までの対イラン外交方針は、「核開発の停止と経済制裁の緩和の交換」だった。これは「北朝鮮との交渉と同じ発想」であり、北朝鮮と対話しても核武装を止められなかったことは、多くの日本人も記憶している。
イランはその北朝鮮と同じ手に出たため、トランプ第一次政権は「最大限の圧力」をかけた。しかしバイデン前政権がウクライナ支援に集中した結果、イラン現体制は延命し、最も技術的に難しいウランの濃縮を間髪いれずに進め、約10発分の核兵器に相当するウランを事実上保有。トランプ第二次政権が発足したころには、「イランの核保有は目前」となっていた(次ページ図)。
その後の交渉でも、イランは実質的にゼロ回答を続け、埒が明かないと判断したトランプ氏は今回、物理的に阻止する選択をとることを余儀なくされた。ただ重要なのは、トランプ氏守護霊がかつて「核兵器をつくることをやめ、(中略)この点に関して同意してもらえれば、お互い、『いい友人』になれるんです」と述べた通り(*1)、イランが本心から考え方を変えれば友好国になれるとトランプ氏は今も考えていることだ。
(*1)『イギリス・イランの転換点について』
攻撃目的(2)
中国の一帯一路を潰す
2点目は、「中国が一帯一路の重要拠点イランの石油を確保・増産すれば、戦争できる体制を整えられるため、トランプ氏にはその"補給基地"を断つ」という戦略があった。
中国は世界の反米国家に外交攻勢をかけており、特にベネズエラとイランは安い石油を豊富に持つ魅力的な国だった。ベネズエラは世界1位、イランは3位の石油埋蔵量を有しており、技術と投資があれば、もっと石油の生産を増やすことができる(次ページ図)。
中国はそれを一帯一路でテコ入れしようとしてきた。仮にベネズエラとイランがサウジアラビア並みに生産できれば、それによって中国は輸入する石油を全量賄うことが可能となる。エネルギーを押さえにかかる中国の一帯一路は本質的に「戦争のための防衛構想」(*2)であるため、トランプ氏守護霊は「一帯一路構想を潰したいと思います」(*1)と明確に述べていた。ベネズエラに続いてイランも攻撃したことで、一帯一路潰しを本格化させたと見ていい。
(*2)『ノストラダムス22世紀への道を語る』

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
攻撃しなかったら──(1)イランが台湾有事に介入し日本を牽制する
攻撃しなかったら──(2)中国が中東に核の傘を提供し覇権を広げる
アルグレン・リン氏インタビュー / トランプ氏はイラン攻撃で台湾侵攻を抑止した

























