米財務省は、デフォルト(債務不履行)を回避するため、一部の債券の発行を停止するなど特別措置の実施に入った。16日付東京新聞(WEB版)で報じている。

米政府の見通しによると、16日に連邦債務が142900億ドルの債務上限に達する。これを超えるとデフォルトに至る。今回の措置で当面の間、デフォルトの危機は一旦遠のいたが、米経済の舵取りは依然として厳しい状態が続く。

オバマ政権は、債務上限を引き上げてデフォルトを回避したいと考えているが、共和党は債務上限の引き上げを支持する代わりに、数兆ドル規模の歳出削減と増税の見送りを求めていた。

オバマ大統領は15日にテレビで、インフラ投資と増税の必要性を語っており(収録は11日)、議論は依然として平行線のままだ。しかし、このままでは「8月初めまでにはデフォルト回避の選択肢が尽きる」(ガイトナー財務長官)可能性もある。

デフォルトのリスクが高まれば、世界経済に与える影響は大きい。一刻も早く事態を打開するべく、建設的な方向で議論を進めることを期待したい。(村)

※現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。近日中に有料購読に移行予定です。

【5月16日分ニュースクリップ一覧】
10社地域独占が電力供給のボトルネック 発送電分離の声強まる
民族派プーチンvs.改革派メドベージェフの対決の行方
テレビは被災地の「霊性」を映し出せ
ロシア副首相が北方領土を訪問
クリントン「中国は歴史を止めたくてもムダ」
まだ不十分な日本の道路インフラ 今こそ大規模公共事業が必要
米、デフォルト回避へ特別措置の実施へ
謎の歌「Trololo」は日本でも巻き起こるか?