21日夕(日本時間22日未明)、リビアの首都トリポリや近郊都市で、戦闘機などがデモ隊や市民に対して、無差別空爆を行った。各メディアが報じた。これまでの対デモの武力弾圧による死者は500人近くに上るという。

カダフィ大佐がベネズエラに脱出したとの情報も一部飛び交ったが、自身がそれを否定して「トリポリにいる」とテレビ演説を行い、退陣を拒否した。

だが、この無差別空爆について、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長をはじめ、米国、フランス、イタリアなど各国から非難の声が相次いでいる。国内においても、リビアの国連代表部のダバシ次席大使はカダフィ氏の退陣を要求し、国際刑事裁判所や国連人権理事会に調査を要求。空軍の戦闘機2機がデモ隊への攻撃の命令を拒否して亡命の意向を示しているほか、オーストラリアやインド、中国などに駐在する外交官の辞任も続出しており、カダフィ氏はますます厳しい状況に追い込まれている。

カダフィ氏はデモ鎮圧のためにアフリカから傭兵部隊を導入している。しかし、外国から入れた傭兵で自国民を殺戮し、たとえ事態が収まったところで、そこに残るものは「国民」のいない「国」だ。やはり、国のトップに立つ者は、誰よりも国民を愛する者でなければならない。(吉)

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