4月の東京都知事選に向け、各候補予定者、各党の動きが活発化している。22日は現職の石原慎太郎氏が4選不出馬の意向であることが報じられた。これで現在出馬表明している候補予定者の中では、外食大手ワタミ元会長の渡邉美樹氏が次期知事の最有力に躍り出た格好だ。

そこでこのほど発売された渡邉氏の近著『東京を経営する』から、渡邉氏の都政のビジョンを拾ってみたい。

ざっと見る限りでは、石原都知事以上の手腕は期待できるかもしれない。特に、私立学校や病院、老人ホームの経営を手がけてきた経験から、教育や社会保障の分野で「生産性」を高める改革を進めるのではないかと期待できる。(織)

(理念)
・    最大多数の都民に最大幸福をもたらすことを第一の目標に掲げる。
・    経営者として実践してきた「地球上で一番たくさんのありがとうを集める」経営を東京都政に。
(経済)
・    東京が世界の大都市と自由貿易協定のような協定を結び、人の交流や企業の誘致、貿易をより活発にする。
・    新銀行東京からは撤退する。破たん処理する。
・    2020年あるいは2024年のオリンピック誘致を目指す。
(都庁改革)
・    都庁の各部局を事業会社化する構想も実行すべきだ。目標とそれに至るロードマップを示す。
・    都庁職員の給与を実力主義の観点から給与体系を見直し、がんばった人が報われる仕組みにする。このために地方公務員法を改正する。
・    これらの改革によって都庁の仕事を3割減らし、残りの仕事を7割のコストで実行する。結果、経費の半分を削減する。
(社会保障)
・    株式会社が病院を経営することで医療保険のコストパフォーマンスが上がる。
・    特別養護老人ホームに民間から新規参入を増やす。
・    自殺者ゼロの都市をつくる。東京都は毎年2900人以上が自殺しており、都道府県でもトップ。
(教育)
・    補助金をクーポン券にして親に配り、親は子どもを通わせる学校を選んで、入学時にクーポン券をその学校に渡す(バウチャー制度)。公立も私立も生徒一人当たりの補助金(60万円程度)を出す。
・    東京の高校生1学年10万人のうち1万人を毎年、海外留学させる。予算300億円。

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