東日本大震災後の日本人は、モノよりも愛と癒しを求めている――。そんな分析が14日付産経新聞に出ている。ネット利用者動向調査会社「ネットレイティングス」は、個人の情報発信の場であるツイッターやブログ上から「…したい」という言葉を100ほどピックアップし、震災前と震災後でそれぞれの言葉の増減を分析した。

それによると、「買いたい」など購買行動に関する言葉の書き込みは震災時に大きく減少し、その後2週間ほどで震災前の90%まで回復したが、4月末になっても震災前の水準に戻っていない。「学びたい」や「食べたい」も同じ傾向だという。

その一方で、震災前より書き込み数が増えたのが「結婚したい」など愛情に関する表現だった。震災の翌々週には2月以降で最高の書き込み数を記録し、その後も震災前より高い水準だという。「休みたい」系の言葉も同傾向。

人は戦争や災害などで「死」を強く意識したとき、死を超える力としての「愛」が欲しくなるものだ。太平洋戦争時に出陣する兵や特攻前夜の若者たちが何より求めたのも、女性の温もりや愛だったらしい。死ぬ前に子孫を遺したいという生物的本能もあるだろうが、大災害による心のショックを癒してくれるのは、やはりモノより愛であることが証明された。(司)

※現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。近日中に有料購読に移行予定です。

【5月14日分ニュースクリップ一覧】
震災後、日本を防衛した空母2隻体制
中国軍スリム化でも戦力向上
米国の戦闘機選定漏れで米印は新たな関係に入る
東電トップの報酬はそんなに高いのか
パキスタンで自爆テロ、80人死亡。「ビンラディン殺害への報復」
ヒマワリと菜種で放射性物質を吸収 農水省実験へ
震災後の今、人々は愛を求めている