北方領土で軍備を増強するロシアの意図はどこにあるのか。本欄で極東・シベリアへの移民を拡大し、北極海航路への軍事的進出も狙う中国への警戒感から来るという分析を書いたが、3月6日付日経新聞で池田元博・論説委員もそれに近い分析をしている。

その中でこの数カ月のメドベージェフ大統領の発言に注目。「共同経済計画を実現する用意がある。我々は千島列島で起きた様々な歴史的経緯を考慮するつもりだ。これは本当だ」(昨年12月のインタビュー)。「我々は平和条約の締結問題を含め、日ロ間のあらゆる問題を協議していく。相互行動と相互理解の精神で関係を発展させ、日本との協力を新たな段階に引き上げるために」(2月の安全保障会議)。

同論説委員は「日本との関係改善を模索するシグナル」「北方領土を含む極東地域での軍備増強計画も『真の狙いは中国対策』(軍事筋)」と解説する。

もちろん領土問題をめぐる日本の軟弱外交にロシアがつけ込んでいるのは間違いないが、極東・シベリア、北方海域での中国の軍事的台頭が日ロ両国にとっての共通の課題であることも間違いない。(織)

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