4日付読売新聞に、中国が思想・報道面の自由を制限し、統制を強める方向に出ていることを伝える報道が3つ並んでいる。

① 人民政治協商会議が3日、北京で開幕。共産党創立90周年にあたる今年、「社会主義の核心的価値体系」を学ぶ思想教育を強化するなどの方針を打ち出した。「北アフリカや中東の反体制デモに倣った民主化要求集会の呼びかけも続く中、党は思想統一の徹底を図る」と読売。

②  2月下旬に国連安保理に提出された報告書の、北朝鮮のウラン濃縮計画に対する制裁案の記述を、中国が削除させていたことがわかった。国連安全保障理事会でこの問題が議論されるのを阻止する狙いと見られる。

③  中国外務省の姜瑜(きょうゆ)副報道局長は3日の定例記者会見で、2月27日に北京や上海の民主化要求集会を取材しようとした外国人記者が拘束・暴行されたことに関し、「法律を犯しニュースをでっちあげるのは報道に携わるものではない」などと警告した。

③については、3日夜の日本のテレビニュースでも映像が流れた。眼鏡をかけたクールな女性の同副局長が、感情を抑えきれず顔に出すのは非常に珍しいシーンだった。中東の民主化の余波が中国に及ぶことを当局がよほど恐れており、情報管制といういちばん痛いところを突かれたためだろう。「情報」が今回のアラブ革命のカギを握っただけに、思想・言論・集会の自由を何とか制限しようとする中国側の苦慮が続きそうだ。(司)

【3月4日分ニュースクリップ一覧】
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