民主党政権下で「全員参加」から「抽出」方式に変更されていた全国学力調査について、18日行われた文部科学省の専門家会議が、「数年に一度、全員参加方式にする」案を検討し始めた。

学力調査は、2007年の自民党・安倍政権のとき43年ぶりに「全員参加」方式が復活した。しかし09年に誕生した民主党政権は、同党の支持団体である日教組の「子供たちの過度な競争をあおる」という指摘を受け入れ、10年から全国の3割を抽出して行う「抽出」方式に切り替えていた。

専門家会議に先立ち、中央教育審議会(中教審)の会長に再任された三村明夫氏(新日本製鉄会長)は15日、学力調査について「サンプル(抽出)調査でいいのか。悉皆(しっかい、全員参加)調査にすべきだと思う」と発言。また、民主党政権が日教組の要望を受けて見直しを進める「教員免許更新制度」についても、「教員の資質向上は教育の基本。一度免許をとったらOKということではない」と指摘している。至極真っ当な意見だ。

本誌は、たびたび全員参加方式による全国学力調査の必要性を訴えて来た。学力調査は、地域や学校、クラス単位で結果が分かるため、子供の学力向上のみならず、教師間や学校間の切磋琢磨を促す。文科省は「数年に一度」ではなく「毎年」行う全員参加方式の全国学力調査を復活させ、塾や予備校が当たり前に行っている切磋琢磨を、公立校にも求めるべきだ。(格)

【2月19日分ニュースクリップ一覧】

中国が対米空母へのミサイルを配備
「カネ余り」解消に急ぐ中国、今度は預金準備率引き上げ
日米印が4月に軍事演習 中国を牽制
戦略なきオバマ外交の漂流
シンガポールに励まされる日本
インドやタイの女性が日本人の「代理母」に
衰退するメディアと興隆するメディアの違いはどこに?
摩天楼が都市を救う
米、世界初の「反レーザー」を発明