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大阪府が私立を含め、府内在住の生徒の高校授業料を完全無償化することを受け、子育て世代の流出を危惧する神戸市が高校通学費を無料化する方針を明らかにしました。

《詳細》

神戸市は、今年9月から市内に住む高校生が市内の高校に通う場合、通学費を全額補助する方針を明らかにし、14日に発表した24年度予算案に経費など12億円を計上しました。一人当たりの補助額は年平均9万3500円となります。今年度までは、月1万2千円までが自己負担で、それを超える分の半額を市が補助していました。市内の自宅から市外の高校に通う場合は、9月以降も同様の補助額になります。

大阪府が4月から高校授業料の所得制限を段階的になくすことについて、久元喜造市長は14日の会見で「周辺の県から子育て世代の流出が進むことになるのではないか。好ましくない」と発言。神戸市を含む兵庫県の高校で志願者が減り、教育水準の低下を招くと危惧したための施策と言います。

一方、大阪府は14日に発表した予算案で、高校などの授業料無償化と、大阪公立大学などの授業料無償化などに約600億円を計上しました。財源について吉村洋文知事は、将来の債務返済に充てる「減債基金」の穴埋め分であると説明。23年度で穴埋めが終了することから、「財政規律を堅持していけば、財源は生み出せると考えている」と話しています。

大阪府では2001~07年度、「減債基金」を計5200億円取り崩して、一般会計の不足を穴埋めしていました。09年度以降は、行政改革や決算剰余金を年52億~766億円積み立てており、23年度で取り崩した額の復元が完了することとなっています。

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