《ニュース》

群馬県が生活保護の利用を案内するしおりを大幅改定し、生活保護からの脱却を促すような記述を削除していたことを、29日付毎日新聞電子版が報じました。

《詳細》

群馬県のしおりでは、改定前、生活保護について「一日も早く自分たちの力で暮らしていけるように、また、毎日の暮らしに"はり"を持っていただけるように手助けをする制度」と説明していました。

この文言について、2023年に桐生市が生活保護費の一部を支給しなかった問題について調査する団体が、「『早く抜け出せ、利用は悪だ』と言わんばかりだ」と指摘。県はこの箇所を削除し、改定後は、「自立」には、自分の収入で生活する経済的自立だけでなく、社会的なつながりを持つ「社会生活」の自立や、心身が健康な「日常生活」の自立があり、利用者に合わせて支援するとしています。

また、受給できる費用として、病院に通うための交通費や、住宅の敷金、介護のための住宅改修や福祉用品代、高校のクラブ費を新たに追加しています。生命保険は「原則解約」としていましたが、保険料が少額であれば維持を認めると追加。自動車の保有は「原則認められない」から、障害者であることなど保有を認める条件を追加しました。

12日付東京新聞電子版は群馬県内の市区町村について、沼田、安中、富岡の3市で生活保護の情報が市のWebサイトに掲載されていないと報道。また、サイト上に生活保護が国民の権利であることを明記していない市区町村が複数あると、やや告発型の報道をしています。

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