朝鮮半島で、戦争の危機が高まっている。北朝鮮の人民軍最高司令部は、26日の声明で「すべての野戦砲兵軍集団を1号戦闘勤務態勢に進入させる」と宣言した。「1号戦闘勤務態勢」は北朝鮮メディアに初めて登場する用語と見られ、具体的に何を指すのかは不明だが、攻撃が迫っていることを強調することで米韓を威嚇する意味合いがあるものと見られる。

北朝鮮はこのごろ、金正恩第一書記が特殊部隊を含む軍視察を繰り返すなどの動きも見せている。また韓国では北朝鮮からと見られるサイバー攻撃も相次いでおり、テレビ局などが被害を受けている。

これに対し米韓両国も、北朝鮮の挑発に対する備えを進めている。24日までに両国は、北朝鮮からの局地的な軍事挑発があった場合に共同して報復する作戦計画に署名した。挑発攻撃を行った部隊だけでなく、軍の中枢など「指揮勢力」にも攻撃を加えるという。

韓国では2010年に延坪島が北朝鮮に砲撃された際に、反撃が不十分だったという批判の声が上がった。今回の合意で、より強力な報復ができるようにはなるが、挑発に過剰反応した結果、全面衝突にエスカレートする懸念はぬぐえない。

また北朝鮮からの軍事挑発への報復として、韓国軍が、平壌を含む北朝鮮の大都市にある金日成像と金正日像をミサイル攻撃するという話もある。南北の挑発合戦が、より感情的なトーンを帯びてきたことが分かる。

日本にとって、これは「対岸の火事」ではない。北朝鮮は、核攻撃の対象として「日本も例外でない」としている。半島有事の際は、日本が米軍の後方支援にあたることになっているため、北朝鮮がミサイル攻撃や、日本国内でのテロなどに及ぶことも想像に難くない。「万が一」に備えた準備が必要とされている。

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