東日本大震災の原発事故で、またも政府、東京電力の対策の不備があらわになった。

31日付産経新聞によると、政府や東電が「想定外」としていた津波の波高について、独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」がすでに3年前に想定し、警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、所管する経済産業省や東電が具体策を講じていなかったことが30日に分かったという。

JNESがまとめた20年8月の報告書では、今回の起きた具体的な経過や被害が想定されており、「地震発生に伴い津波が到来した際には、(中略)炉心損傷が発生する可能性が考えられる」「全電源が喪失し炉心損傷に至る可能性がある」と記されていた。

福島第一原発の津波対策での想定は波高5.7メートルで、実際の津波は約15メートルだったため、政府や東電は「想定外」と主張していたが、同機関の22年12月の報告書では、3~23メートルまでの津波の波高を想定した危険性を検討し、海面から高さ13メートルの防波堤がない場合は7メートル超、ある場合でも15メートル超の津波が来た場合、炉心損傷にいたる可能性は「ほぼ100%」と分析し「想定外」を想定していた。

だが、報告書はホームページに一般に公表するだけで、経産省には直接提出されていなかったとのことで、組織内での連携にも問題がある。

今必要なことは、原発を止めることではなく、今回の震災による事故を教訓として、今後に向けて十分な対策を備えておくことだ。本誌5月号でも紹介したが、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁が、3月16。日に公開された法話「震災復興への道」で高さ20メートルの堤防の建設を提言している。日本の原発はすべて海岸線に設置されており、どの原発においても津波の危険性は考えられるのであり、早急にこうした高い堤防の建設が求められる。(吉)

【参考記事】大震災復興プラン http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1649

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