政府が、多国間の徴税ネットワークに参加する検討に入った。9日付日本経済新聞が伝えている。

徴税ネットワークは、納税義務を負う納税者が海外に資産を移転している場合、加盟国間で資産状況などの税務情報を共有し、現地の税務当局が代わりに徴収して本国に送金する仕組みだ。経済協力開発機構(OECD)の加盟国を中心に、現在23カ国が参加している。

今回の参加の検討は、資産を海外に分散する動きが進んでおり、課税の公平性を保てないと判断したからだ。だが、その前に考えなければいけないのは、なぜ納税者が資産を海外に移転しているかということだ。

日本では、2011年度税制改正で5%減税されたものの、イギリス28%、中国25%、韓国24%と比べれば約35%の法人税は国際的に高い。所得税も最高税率40%と高く、相続税にいたっては最高税率55%と財産の半分以上を取られてしまう。さらに大震災にかこつけてでも増税しようとしている。最近は共通番号制の導入も検討されており、政府が国民の所得を血眼を上げて把握しようとする動きが目につく。

海外に資産を移すのは、こうした税率の高さと悪代官のような政府の姿勢が原因だ。それなら、資産を日本に置いて納税してもらうには共通番号制はやめて、減税するしかない。このまま海外まで追いかけて徴税しても、「北風と太陽」の北風になり、納税者は資産を守るために、最終的に日本国籍さえも捨てるかもしれない。(吉)

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