防衛省が、沖縄県・尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していたことを、9日付の産経新聞が報じている。記事によると、シナリオは以下の3つの局面で構成されている。

1:漁民を装った中国の民兵が尖閣諸島に上陸後、中国は「漁船が難破した」と主張。沖縄県警が尖閣に乗り込み、入管難民法違反で逮捕。海上保安庁の巡視船も周辺海域に展開する。

2:これに対し、中国は海洋調査船「海監」を派遣。日本は海保の巡視船では対処できないと判断して海上警備行動を発令し、海上自衛隊の艦艇や航空機を出動させる。すると中国が、「日本が不当な軍事行動を仕掛けてきた」と国際社会にアピールする。

3:そして中国が海軍艦艇を投入すると、日本の海自などは武力衝突に発展することを恐れて海域から離脱。警察官も撤収する。この間隙を突いて、中国は宮古島や石垣島に武力侵攻。この段階で日本は防衛出動を発令し、海自・空自の艦艇や航空機を終結させ、米軍も展開。陸自部隊は奪還作戦に入る。

防衛省は、このシナリオで浮き彫りになった課題に基づいて自衛隊の態勢を見直す方針という。

同紙は、課題を浮き彫りにした上で、それへの対処を昨年12月に策定した新たな「防衛計画の大綱」に反映させるべきだったはずであり、「大綱」をまとめた後にシナリオを作成するプロセスは本末転倒と批判する。

また、順序が逆になった要因として、「ひとえに民主党政権が米軍普天間飛行場移設問題に右往左往し、大綱の検討に本腰を入れなかったため」「防衛省政務三役は当初、シナリオを尖閣占領にとどめ、宮古島などへの侵攻は想定すべきではないと脅威を過小に見積もった」「民主党政権には荷が重すぎるようだ」と指摘する。

震災の復旧に専念する日本の島嶼(とうしょ)部に、中国や北朝鮮がいつ侵入してくるか分からない。菅政権は、外国の侵略に「想定外」では取り返しがつかないことを肝に銘じるべきだ。(格)

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