5月1日、東西の欧州で、労働者の移動が完全に自由化された。5月1日付日経新聞で報じている。

EUは2004年に、ハンガリー、スロバキア、チェコ、ポーランドなど10カ国が新たに加盟して東方に拡大しているが、その時に、中東欧8カ国からの労働者の移動を最大7年制限できる移行措置を設けており、ドイツとオーストリアの2カ国が最後まで規制を続けていた。

5月からこの規制が切れて完全に自由化されると、中東欧からドイツへ労働者の大量流入が始まる可能性がある。2020年までに130万人の労働者がドイツに入ってくるとの推計もある。

ドイツでは、専門職の人手不足が緩和されるという期待もある。しかし、規制を最後まで続けていた背景には、東欧から安価な労働者が大量流入することを恐れていたという事情があり、賃金の切り下げ競争が激化する懸念が強い。

一種の文明実験であろうが、外国人労働者受け入れの議論が避けられない日本にとって、今後のドイツの労働市場の行方には要注目だ。(村)

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