東京電力は30日、福島第一原発に仮設の防潮堤を6月中旬までにつくることを明らかにした。

余震による被害を防ぐのが狙いだが、仮設とはいえ、高さ1~2メートルの防潮堤では、少し心もとない。元の敷地の高さが10メートルだから、合計でも12メートル。今回の震災では15メートルレベルの津波が来たと言われており、これでは同規模の地震が来た時に、まだ津波をかぶってしまう。少なくとも5メートル以上の高さにすべきだろう。

また、震災からすでに1カ月半以上経ってからの発表も遅いと言わざるを得ない。仮設の防潮堤であれば判断に1週間も要さないはずだ。

天災は、いつ、どの規模で来るのかが分からない。従って、素早く、思い切った対策をすることが求められる。岩手県の普代村で、周囲の反対を押し切って高さ15メートルの水門を作った結果、今回の震災で死者ゼロとなった教訓を謙虚に学ぶべきだろう。(村)

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