米オバマ大統領がゲーツ国防長官の後任にパネッタCIA長官を指名したことで、オバマ氏が目指す国防費の大幅削減が加速する方向となった。

オバマ氏は4月に2023年まで12年間で財政赤字を4兆ドル(約335兆円)削減する方針を発表。これに伴い、国防費は4000億ドル(33兆5千億円)削減する。

2011年度のアメリカの国防費は約7000億ドル(約57兆円)。ここから毎年、予算カットしていくことになるのがパネッタ・新国防長官の役割だ。

ゲーツ長官はオバマ氏の意向を受けて国防費削減を進めてはきたものの、大幅な削減には反対だった。パネッタ氏はクリントン政権下で行政管理予算局局長として財政健全化を進めた実績があり、その手腕に期待されている。

米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長(海軍大将)は2月に、「米国の財政赤字が、国の安全保障を脅かす最大の脅威だ」と述べているが、皮肉にも新国防長官がその“脅威”を現実のものにしようとしている。(織)

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