米クリントン国務長官は17日に来日し、菅首相、松本外相と会談した。

国務長官は「日本への揺ぎない支援と復興への支援を約束する」と述べ、松本外相との会談後の会見では原発事故の対応について、「できる支援はすべて提供したい」とした。また菅首相との会談では「日本は必ず回復を遂げ、今後何十年も経済的に活躍すると確信している」と述べた。

「日本は必ず回復し、何十年も活躍する」とは、非常に力強いエールの言葉で有難い。だがこの言葉は本来、日本のリーダーシップを託されている菅首相こそが、国民に向けて繰り返し本気で語るべき言葉だろう。

しかるに菅首相は、例えば東京電力による計画停電を了承したことを発表した3月13日の会見では、やや声をうわずらせながら 「果たしてこの危機を私たち日本人が乗り越えていくことができるかどうか、それが一人ひとりすべての日本人に問われている」と発言し、産経新聞のコラムで「不安を助長した」と批判された。なぜ、「私たち日本人が力を合わせれば、必ずこの危機を乗り越えられると確信している」と言い切らないのか。今回の震災後、首相の言葉で心から勇気付けられたという日本人が果たして何人いるだろうか。

リーダーたる者、難局にあってこそ、客観情勢は踏まえつつも、国民の勇気と希望を鼓舞するメッセージを発するべきである。首相はスピーチの国アメリカの政治家に、政治家が語る言葉の大切さを学んだほうがいい。もっとも話し方だけ学んでも、一国の首相にふさわしい中身やビジョンが伴っていなければ、いかんともしがたいが。(司)

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