東日本大震災で仙台空港の復旧作業に携わった、米空軍嘉手納基地353特殊部隊のロバート・トス大佐が、15日、米ワシントンと結んだ電話で記者会見した。会見の中でトス大佐は、仙台空港近くの浜辺で木を並べた「ARIGATO(アリガトウ)」の文字を見つけたことについて、「苦境の真っただ中にありながらも、感謝の気持ちを示す日本人に心打たれた」と語った。

トス大佐率いる特殊部隊は、震災当日、合同演習中だった韓国から横田基地に戻り、被災地へ。浸水していた仙台空港を「救援物資の輸送拠点として最優先で復旧すべき」と判断し、震災5日後の16日には滑走路の約1500メートルを確保、その翌日には救援物資の輸送機の離着陸を可能にした。

トス大佐は、4月3日、仙台空港に着陸する際、「ARIGATO」と、浜辺に木を引きずっていく人を見つけたという。任期終了間際の日だった。

また、トス大佐は次のようにも述べた。「驚いたのは、自分たちも被災しながら日夜復旧に努める日本人の姿だった。ありがとうは日本の人々に言いたい」「震災支援を通じて日米同盟はより強固になり、深まる」

私たちも「ありがとう」を伝えたい。日本の被災者の人たちのために、急いで現場に向かい、必死の復旧作業に携わってくれた米軍に。私たちの伝えたいその言葉を、精神的にも肉体的にも疲労しているなかで、懸命に伝えてくれた被災地の方々に――。そして、そうして伝えてくれた言葉は、失いかけていた米国の日本に対する信頼を取り戻し、日本を守ることにつながる。被災者の方々に敬服せずにはいられない。(吉)

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