去年ぐらいから週刊誌で「死に方」や「あの世」の記事が非常に増えている。週刊朝日3月11日号は、公開中のアメリカ映画「ヒアアフター」にちなんで臨死体験についての記事を載せている。内容に取り立てて新味はないが、週刊朝日が臨死体験記事を載せること自体にいささかのニュース性を感じるので紹介したい。

記事中では、元聖心女子大教授の鈴木秀子氏と宗教学者の山折哲雄氏の臨死体験や、リバティにも登場したことのある京都大学こころの未来研究センターのカール・ベッカー教授などのコメントを紹介。ベッカー氏は言う。

「戦後の唯物論的な傾向が極端に強い医学教育の影響で、脳が働いていなければ意識はなくなるので、臨死体験はありえないとする考えが日本ではいまだに支配的です。しかし、すでに『脳イコール意識説』は世界的に疑問視されつつあるのです」

記事の締めくくりは、「臨死体験で覗いた景色は『死後の世界』なのか、それとも別物なのか。こればかりは誰にも証明できない。ただ、死後の世界の可能性を認める(信じる)ことが、生きる糧になることはあるのだ」という、よくあるパターン。

確かに、平面世界の住人には立体世界の存在を証明できないように、下位次元であるこの世の手法によって、上位次元である霊界の存在を直接証明することはできない。だが、「ヒアアフター」に出てくるような死後の世界を垣間見る体験をしている人はたくさんいるし、幸福の科学の本にもあの世の「間接証明」はたくさん載っている。あとは、「脳イコール意識」という20世紀的な古い仮説にしがみつくか、それとも脳を超えた世界に向けて素直に心を開くかの違いだけではないか。(司)

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