アベノミクスの是非をめぐっては、賛否両論の書籍が入り乱れ、各種メディアでも是非が論じられている。
両者の争点は、「金融緩和は効くかどうか」あるいは「金融緩和は効いたかどうか」に絞られつつあるが、今回紹介する伊藤隆敏氏(東大大学院教授)は金融緩和論者の代表格で、インフレ目標の政策理論については日本では権威の一人だ。
近著の『インフレ目標政策』は、11年前に発刊された『インフレ・ターゲッティング』の増補改訂版で、安倍政権誕生後の政策論議を踏まえて書き直しているだけに、興味深い一冊となっている。
インフレ目標の教科書として知識整理に活用できるとともに、アベノミクス反対派に対する切れ味鋭い反論が展開されている。
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