大津市でのいじめ自殺事件がマスコミによって大きく取り上げられ、学校や市教育委員会の隠蔽体質が明らかになったが、一部の教育委員会では、真っ当な議論も展開され始めている。

大阪府教育委員会の陰山英男教育委員長は20日の府教委の会議で、「いじめを行う児童・生徒の出席停止」の制度を活用し、適切に対応するよう市町村教委に対して呼び掛けた。

この制度は、特定の生徒が他の生徒に対して、心身の苦痛や財産上の損失を与える行為などを繰り返して他の生徒の教育の妨げになっている場合に、その保護者に対して、市町村教委が出席停止を命じることができるというもの(学校教育法第26条、第40条)。

2001年の学校教育法改正時に適用条件が明文化され、2006年には、当時の安倍内閣が立ち上げた「教育再生会議」で、この制度の積極活用が指示され、文科相に通達が出された。ただ、全国的にも適用例は少なく、大阪府内ではこれまでないという。

陰山委員長は、大津市教委の対応を批判し、「(大津市の事件は)いじめではなく、明らかに学校内犯罪。出席停止によって大津のような事例も救えた場面があったかもしれない。出席停止の決断には相当高いハードルがあると思うが、困っている子供を助ける最後の手段として、必要条件が整えば、ひるむことなく適用に踏み出してほしい」と述べた。

本来、安全で安心して勉強に励める場であるはずの学校で子供たちが過酷ないじめを受けた時に、「死」を考えるよりは、不登校という手段を選んでくれた方が良い。

しかし、それでは、被害者側が教育を受ける権利を奪われ、泣き寝入りすることになる。また、別の子供に新しく被害が及ぶ危険も生じる。本来、学校がやるべきは、被害者を守り、加害者を厳しく指導することであるはずだ。

それでも、学校や教委が加害者への処罰・指導をためらう本当の理由は、「どう反省させ、善導すれば良いのか分からない」ということではないのだろうか。

文科省は、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁の「いじめ処罰法(案)」を参考に、公立学校の再生を実現させてもらいたい。〈宮〉

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2012年7月15日付本欄 大津いじめ事件 こうすれば解決できた

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