4月下旬に北海道電力泊原発3号機が定期検査に入ることで、日本の全原発が停止することになるが、これを避けるには、現在停止している原発を再稼動できるかにかかっている。

再稼動の手続きは、▽電力各社がストレステストの報告書を提出し、保安院などが妥当性を評価。▽地元自治体が了承。▽首相と3閣僚が再稼動の可否を判断――の順で進むが、地元自治体に関する部分のハードルが上がっている。

7日に投開票が行われた京都市長選で、現職の門川大作氏が再選したが、関西電力に「脱原発」を求めている考えを改めて表明した。大阪市の橋下徹市長との連携を深めていくという。

滋賀県の嘉田由紀子知事も、段階的に原発をなくす「卒原発」を訴え、立地県の福井県並みの原子力安全協定の締結を関電に強く申し入れている。京都府も同様の考えだ。このため、福井県内の原発を再稼動するには、立地自治体の了承以外にも、広範囲の自治体の了承が必要になってくる。

反原発のイデオロギーの強い菅直人首相が決めた「脱原発」路線が後を引いている格好だ。

福島第一原発の事故は、大津波によって起きた事故であり、逆にM9の巨大地震には十分耐えることができた。津波対策の再点検ならば意味がある。わざわざ全原発を止めてまでやる原発自体の再点検は、地元住民の納得と安心のためではあるが、日本経済を犠牲にしてまでやることではない。民主党政権の原発政策をめぐる判断はやはり、極端と言わざるを得ない。(清)

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2011年10月号記事 脱原発は愚策だと人々が気づき始めた "Newsダイジェスト"

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2698