財務省の10日の発表によると、2010年度末の国の借金が924兆3596億円と過去最大を更新した。

11年度予算は国債発行額が44兆円で税収を上回る見通しで、このままでは11年度末には国の借金は1000兆円の大台を突破するという。

そこで財政再建のために増税論が浮上しているわけだが、税収を増やす方法としては、増税は下策と言えよう。過去の推移を見る限り、税収が増えるのは税率を上げた時ではなく、景気が回復した時だ。この30年ほどでは、好景気に沸いた80年代後半と、04年以降にいざなぎ超えの好景気になった時に税収が増えている。逆に97年に消費税を2%上げてからは、税収は減っている。

従って、税収を増やすためには、何よりも景気対策が優先されなければならない。「借金」「過去最大」「1000兆円」という言葉に脅されて増税を図る愚だけは避ける必要がある。(村)

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【5月10日分ニュースクリップ一覧】
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国の借金が過去最大の924兆円