20世紀に入ってから水没の危機にあるイタリアの水の都・ベネチアで、可動式堤防を用いた、画期的な「沈まないベネチア」構想が立ち上がっている。

AFP通信によると、ベネチアの町を海面上昇から守るために潟の入り口に可動式の堤防を建設するという。

具体的には、海底に設置された基部から、巨大な箱状の板が突き出て堤防となる構造。高潮が来た時は、板の内部に圧縮空気を送り込んで板を立て、潟への水の浸入を防ぎ、高潮が去った後には板内に水を送り込み、板が海底に戻っていく仕組み。可動式堤防の数は合計78枚。完成は2014年、総工費は54億ユーロ(約6500億円)という。

これはまさに東日本大震災の大津波で人命被害の明暗を分けた巨大堤防の発想と同じだ。

先に、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は「震災復興への道」で、大津波の非常事態の時にだけ、せり上がってくる堤防建設策を提案した。また、川が逆流するところについては門を閉められるよにするなど、巨大堤防建築を推奨。

同じ発想を、海を越えたイタリアで今着々と進行中であることは興味深い。今回の東日本大震災の大津波被害を見て、この着想を得たのか、あるいは大川総裁のサジェスチョンに何らかの形で触発されたのか。

ただしこのシステムでは「最高3mの水位上昇までベネチアを守ることができる」レベルのもの。東日本大震災の大津波級に対しては高さ20mは必要であると大川総裁は提示している。

「モーゼ」プロジェクトと呼ばれるこのベネチア計画は、紅海を真っ二つに割いたりくっつけたりしたモーセに由来するのだろう。天変地異に対しては、神業のような発想なくしては人類はお手上げなのだ。時期が時期なだけに、日本も注目し、早期に着手すべきではないだろうか。(ア)

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