中国が第二の政府系ファンドの設立に向けて動き出した。2日付産経新聞で報じている。

中国は2007年に外貨準備から約2千億ドルを拠出して、政府系ファンド「中国投資(CIC)」を設立している。

今回検討しているのは、金などの貴金属やエネルギー資源への分散投資で、やはり外貨準備から数千億ドルの規模で拠出されるという。

中国は3月末に世界で初めて外貨準備が3兆ドル(約245兆円)を突破したが、その70%程度を米国債で運用していた。しかし、ドル安基調の中で、別の投資先を模索し対米依存度を下げるのが狙いだ。

一方、日本には国、企業、個人で3000兆円を超える金融資産があると言われながら、政府系ファンドはいまだに設立されていない。日本は安定志向が強く、リスクのある株式や商品への投資を敬遠する傾向があるが、そろそろリスクマネーと上手に向き合う必要があるだろう。

特に国際的に資源や食料の価格が高騰する中で、世界の情勢を見極めながらリスクヘッジの技術を磨いておくことは、人材育成の点から見ても大切だ。日本も、増税の議論をするのであれば、少しでも財政負担を減らすべく、政府系ファンドの設立を検討すべきだろう。(村)

※現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。近日中に有料購読に移行予定です。

【5月2日分ニュースクリップ一覧】
ビンラディン殺害も、大勢に影響なし イスラム原理主義が台頭へ
子供の人口30年連続減少、少子高齢化進む
せり上がり式堤防でベネチアを水没から守るプロジェクト
「新たな反ユダヤ主義が広まっている」(ネタニヤフ首相)
総額4兆円の一次補正予算が成立
中国が第二の政府系ファンドの設立を検討