中国政府がキリスト教やチベット仏教の宗教弾圧を強化している。

今月10日、キリスト教団体「守望教会」の信者ら多数が、屋外で礼拝を行っていたところ警察当局に連行され、事情聴取を受けた。その後も中国の治安当局は、17日に北京で礼拝に集まった信者約20人を連行、24日に信者36人以上を拘束、約500人を自宅に一時軟禁した。

また、チベット仏教に対しても、四川省アバ・チベット族チャン族自治州で21日、当局がチベット仏教寺院を封鎖し、355人を強制排除、チベット族住民が2人死亡した。

私たちは中国の覇権主義的な動きや軍事費ばかりに目がいきがちだが、国内における民主化デモの鎮圧や宗教弾圧においてもますます強化姿勢を強めているのだ。中国の今年の「公共安全」予算は昨年同期比13.8%増の6244億元(約7兆8千億円)にも達しており、国防予算同様、二ケタの伸びとなっている。

中国では民主化を求めるジャスミン革命の集会の呼びかけも変わらず続いており、政府としてはこれらの動きの一つでも封じ込めに失敗するわけにはいかない。だが、弾圧すればするほど、国民の不満はますます高まり、失敗例が出たときの影響は大きくなる。(吉)

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