震災の津波で農地塩害を受けた宮城県内の農家などが、別の農地を求めて集団移転を進めていることを、26日付の読売新聞が報じている。

記事によると、ビニールハウスや農機具が津波に流され、田畑が海水に浸かった東松島市の矢本立沼地区では50世帯が集団移転を決めた。野菜農家が多い名取市北釜地区の107世帯は集団移転に合意。市役所に対して市内2カ所の土質の良い候補地を示し、今後、移転について調整するという。こうした動きに対し、国土交通省は「市町村の使い勝手を優先的に考え、柔軟に対応したい」としている。

だが、大規模災害後の復興においては、政府が強力なリーダーシップを発揮し、その地域を震災以前よりも繁栄した地域になるよう導くべきだ。

たとえば、農地が塩害で使えないなら、そこに鉄筋コンクリート造りのビル内に野菜工場をつくればいい。その技術はすでにあるし、3階建てにすれば単純計算で3倍の収穫が見込める。従来の農家以上の人出が必要になり、農業に興味を持つ若者も呼び寄せることができるだろう。規制を排して、株式会社などの組織の参入も容易にすればいい。頑丈に建てれば津波にも流されず、逆に避難所としても使える。(※)

政府が被災者の要望に答えるのは大事なことだが、政府は個人の力では実現できない、もう一段大きな視点での復興ビジョンを描くべきだ。(格)

※参考書籍: 『震災復興への道』

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