米ワシントン発の政治専門サイト「ポリティコ」で、「ヨーロッパのティーパーティーがEUを崩壊させる」という記事が4月21日付で出ている。EU擁護の立場で書かれているが、それだけに「EU崩壊」の流れがもう止められないものになっているのが分かる。以下は概要。

・ティーパーティーが理念的な純粋さのためにワシントンの人たちをいらだたせるように、同じ現象がヨーロッパ大陸の将来の繁栄を脅かしている。

・フィンランドでは、「真のフィンランド人」党が17日の国政選挙で19パーセントの支持を獲得した。この政党は反EUを主張し、南欧の国々の浪費に対する怒りを利用した。この政党はEUによるポルトガル救済を否定し、ポルトガルは債務履行の瀬戸際にある。

・北欧で起こったことがヨーロッパ全体の動きになりつつある。フィンランドからオランダ、ベルギー、ハンガリーへと反体制政党が勢いを得ている。これらの政党はEUへの懐疑と救済疲れを重視している。

・これらヨーロッパのティーパーティー的な動きが妥協しなければ、ユーロ圏からの離脱が起き、ヨーロッパの統合が危険にさらされる。

・来年、ポーランドやデンマーク、ポルトガル、スペインなどで国政選挙がある。反体制的な運動が勢力を得るだろう。

・厄介なのはフランスで、EUのシステムを左右する。大統領選が予定されているが、反EUのスタンスの右翼政党のマリーヌ・ルペン党首がサルコジ大統領以上の支持を得ている。彼女が選挙で吸引力を持てば、勝敗に関係なく、フランスはEU財政への関与を緩めるだろう。

・EUに対する懐疑主義に屈すれば、ヨーロッパは不安定な道を歩むだろう。

EUはドイツなど北の国々の経済力で維持しており、ギリシャやポルトガル、スペインなどの南の弱小国の放漫財政を支えている。それに対する反発が全ヨーロッパ的に広がっている。

幸福の科学グループ創始者、大川隆法総裁は1992年の時点で「いま統合に向かっているEC(後にEU)は、大きな破局を迎えるはずです」と“予言”していた。それが今、20年近くを経て現実化している。(織)

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