《ニュース》

米国防総省はこのほど、「中国軍事企業」のリストを公表しました。昨年、中国軍事企業に指定された約130社に、中国ネット通販大手の「アリババ集団」や、検索エンジン大手の「バイドゥ(百度)」、電気自動車大手の「BYD(比亜迪)」などが新たに追加され、リストに掲載された企業は188社に上りました。

《詳細》

米国防総省は「中国軍事企業」を、中国軍が所有または管理する企業、あるいは中国の「軍民融合」に貢献する企業と定めています。

トランプ政権は今年2月、アリババとバイドゥなどを加えた中国軍事企業のリストを公開していましたが、すぐに撤回しました。トランプ大統領の訪中を前に、中国との摩擦を避けたと見られており、トランプ氏が5月に訪中を終えたため、再度公開した可能性があります。

中国軍事企業に指定された企業は、アメリカで事業を継続することはできるものの、監視の目が強まり、さらなる規制の対象となる可能性があります。また、米民間企業がこれらの中国企業と取引しても、法的な罰則はありませんが、国防総省がそうした米企業と契約を解消したり、研究資金の提供を止めたりする可能性があります。国防総省は、中国軍事企業との直接契約が禁じられており、2027年からは第三者を通じて該当企業の製品・サービスを購入することも禁止されます。

他に中国軍事企業に追加されたのは、人型ロボットメーカーの「ユニツリー・ロボティクス(宇樹科技)」、バイオテクノロジー企業の「ウーシー・アップテック(無錫薬明康徳新薬開発)」、レーザーを使って周囲を認識するセンサーを主力とする「ロボセンス・テクノロジー(速騰聚創科技)」などです。米AI半導体大手の「エヌビディア」は今年6月、ロボット開発でユニツリーと協業する計画を発表していました。

米下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委)」委員長を務めるジョン・ムーレナー下院議員(共和党)は、「米証券取引所に上場している全ての中国企業は全て直ちに上場廃止とし、その製品は我が国が依存するサプライチェーンから排除されるべきだ」「米企業は国家安全保障に対するこうした脅威との取引を停止しなければならない。さもなければ中国の軍事的対応を助長することになる」などと警鐘を鳴らしています。

一方、アリババやバイドゥなどは声明で、「中国軍事企業認定は根拠がない」と強く否定。アリババは、「当社は中国の軍事企業ではなく、いかなる軍民融合戦略の一部でもない。当社を不当に表現しようとする試みに対してはあらゆる法的措置を講じる」と述べています。

《どう見るか》