地域主権改革関連3法案が22日、衆院本会議で与野党多数で決定された。

同法案は、「国・地方の協議の場」設置法案、国が地方の仕事を縛る「義務付け・枠付け」を見直す地域主権推進一括法案、地方議員の議員定数の上限撤廃などの地方自治改正法案である。

自民党・公明党らは、「地域主権」という言葉が「国民主権との関係が不明」「地方分権との違いが不明確」などと主張し、「地域主権」という文言は削除されたが、内容においてはまったく変わらない。むしろ、「地域主権」という言葉が隠されたに過ぎない。いよいよ地域主権が進む。

だが、地域主権が実現すれば、極論すれば今回の東日本大震災のような事態が発生しても、国は責任を取らず、その地方が自身で責任を負わなければならなくなる。役所も流されているような状態で救援活動などできるはずがない。

また、国防面においても、自衛隊や米軍の基地の撤去も各自治体で決定できるようになれば、もはや国を守ることはできない。例えば、沖縄の辺野古が米軍基地の受け入れを拒否すれば、日本の南西部に防衛力の空白ができてしまうのだ。

さらに、地方議員の定数の上限がなくなれば、公務員が無限に増えていくことが可能になり、その人件費を支えるためには増税にならざるを得ないはず。

震災の復興に国民の目が向いている隙に、静かに、しかし着々と地域主権が進められている。これからさらなる国難の危機が訪れる予感がする。(吉)

【参考記事】 本誌5月号 「オピニオン 市町村と北海道を“共産独立国家”にする『地域主権』」

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