共産党創設90年、辛亥革命100年の節目の年を迎えている中国で、人権活動家や報道統制と闘う記者らが、身柄を拘束されたり役職を解任されたり、次々と“粛清”されていると、20日付の東京新聞が報じている。

記事によると、北京五輪のメイン会場「鳥の巣」の設計に携わった著名な芸術家、艾未未(ガイミミ)氏が今月3日に「経済犯罪」の容疑で身柄を拘束。人権活動家としても知られる同氏は、四川大地震で校舎が倒壊し、多くの児童が亡くなったことについて当局の責任を追及していた。

また、独自報道に定評のある日刊紙「南方都市報」副編集長の長平氏は、2008年のチベット騒乱時に、当局の取材規制に対して批判する評論を発表していたが、1カ月前に、突然副編集長を解任された。記事は、「言論界の暗黒の時代を予感させる」という北京の民主派作家の言葉で結んでいる。

リバティ本誌連載の、相馬勝氏の「中南海 インサイド・ウォッチ」でも指摘しているが、3月の全国人民代表大会(日本の国会)で上程した治安予算は、昨年に比べ13.8%増の6244億元(約7兆8千億円)に達し、これは12.8%増の国防予算を上回る伸びをみせている。

だが、“粛清”や多額の治安予算の裏を返せば、今の中国には、全力で「民主化封じ込め」に取り組まなければならない現実があるということだ。「言論・出版の自由」の基には「信教の自由」がある。中国がこれを認めないうちは、国内で「自由」を求める動きが続くだろう。(格)

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