西岡武夫参院議長が7日の記者会見で、震災や原発事故への政府の対応について「やるべきことをやってない。今の状態で菅内閣が国政を担当することは許されない」と厳しく批判した。与党出身の参院議長が首相の退陣に言及するのは極めて異例だ。

西岡氏は、首相が設置を進める「復興構想会議」についても、「いくつ会議をつくれば気が済むのか。首相は具体的な復興の方向性を示すべきだ。責任逃れとしか思えない」と手厳しい。

だがそれもそのはず、震災後、政府は「原子力災害対策本部」「福島原発事故対策統合本部」「被災者生活支援特別対策本部」などの組織を次々と立ち上げ、「復興対策本部(仮称)」も設置する意向。民主党内でも「防災復興府」の新設を検討しているが、こうした組織の乱立には「屋上屋を架すだけ」という批判もある。西岡氏は、小沢一郎氏寄りの人物のため、党内の権力争いを背景にした発言という側面もあるだろうが、的を射た発言だ。

自民党の谷垣総裁は7日にも民主党との大連立について否定的な見解を示したが、民主党側はあきらめていない様子。菅内閣が本当に「責任逃れ」をしたいのなら、総辞職するのも一つの手だろう。(格)

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