中東の衛星テレビ局アルジャジーラは現地時間の3日朝、ベネズエラのチャべス大統領がリビア情勢を収めるための和平案を提案し、リビアのカダフィ大佐が受け入れたと報じた。同提案は、中南米、欧州、中東の代表による委員会を設置し、カダフィ大佐と反体制派の交渉を仲介するものだという。反米左翼のチャべス大統領は先月末、カダフィ大佐への支持を表明しており、一時は大佐のベネズエラ亡命説も浮上していたほどだ。

現在、リビア情勢を巡っては、反体制派が政権側拠点の空爆を国連に要請する動きを見せる一方で、米国は空爆に慎重。またアラブ連盟は北大西洋条約機構(NATO)と共にリビア上空の飛行禁止区域設定を検討しつつ、あくまで米欧の軍事介入を断固拒否している。

アルジャジーラによれば、反体制派にとって唯一あり得る「調停」は、「カダフィ大佐側の出口戦略」のみだという。だとすれば同和平案の結論として残されているのは、「大佐のベネズエラ亡命」だろうか。和平案の詳細は明らかでなく、またカダフィ大佐が簡単に辞任を表明するとも思えないが、米国抜きで事態を解決したい新興諸国と、これ以上軍事的な負担を増やしたくない米国の利害が一致し、何かしらの事態打開に繋がる可能性はあるかもしれない。

アラブ連盟のムーサ事務局長は同日、ロイター通信の取材に対し、同案を受託するか検討中だと述べている。事態収束のため、あらゆる選択肢に注目したい。(由)

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