安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領の首脳会談が、モスクワで29日に行われることが分かった。会談では、北方領土交渉の再開や経済交流の強化、北朝鮮への対応が話題になる見込みだ。

日本としては、悲願の北方領土返還になんとか足がかりをつけたいところだ。北海道の高橋はるみ知事らは23日に首相官邸を訪れ、安倍首相に北方領土の返還促進を訴える要望書を手渡した。これを受けて安倍首相は、「首脳会談において、北方四島の帰属問題を解決し、そして平和条約を結ぶ、その交渉を再スタートしたい」との決意を述べている。

一方、ロシアの側は日本との経済協力を期待する。来日中のロシア極東サハリン州のホロシャビン知事は同日、都内で会見した。北方領土問題については、「歴史のある問題で、一度に合意することはないだろう」と語ったが、「日露の経済協力が領土問題を解決するための重要な一歩だ」とも述べている。

会見でホロシャビン知事は、「電力の橋」として、原発の停止で電力不足に苦しむ日本に対し、送電線を通じてサハリンから電力を供給する構想を提示した。火力発電所の新設計画などの準備を進めていると明らかにしたほか、ハバロフスクやシベリア、アムールからの電力を加えると、原発4基分の電力を供給できるとアピールしている。

また、これまで日露が共同開発してきたサハリン1、2などの液化天然ガス(LNG)事業については、「今後も付加価値のある製品を提供したい」と述べた。アメリカがシェールガス生産を進めるなか、日本への輸出拡大をはかりたい考えだ。

日本が極東ロシアの発展に協力できれば、そのことが北方領土返還を推し進めることにもなる。極東開発は、プーチン大統領が昨年就任して以来、重要課題として力を入れてきた。ロシア国内で北方領土返還を受け入れる気運をつくるためにも、両国が経済協力を深めてきたという既成事実の積み上げはプラスになる。

中国や北朝鮮など、軍事独裁国家に囲まれる日本にとって、親日国であるロシアとの友好関係を築くことは、安全保障上も極めて重要だ。日露首脳会談が大成功し、両国関係が一層深まることを期待したい。(晴)

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