習近平・中国国家主席が最初の外遊先に選んだのがロシアだ。プーチン大統領との首脳会談で「対日共同戦線」を張ろうとしたが、プーチン氏は微妙な態度でかわした。ロシアは中国の味方か、それとも日本の味方か? この会談からはプーチン氏の本心は見えないが、それを探るヒントはある。

習近平主席は22日、ロシアを訪問しプーチン大統領と会談し、共同声明を発表した。

共同声明では、ミサイル防衛(MD)を進める米国に対して名指しは避けたものの、「一方的かつ無制限なMD拡大により、戦略的安定や安全保障を損なうことを認めない」と強い調子で非難。

また、「主権、領土保全、安全など核心的利益に関わる問題では互いに断固支持する」として、尖閣諸島問題などで日本と対立する中国が、ロシアとの共闘を意識した文言も盛り込まれた。

さらに、ロシア産石油の対中輸出量を現在の年間1500万トンから約3倍の4600万トンまで段階的に引き上げることで合意。資源エネルギー分野を軸に両国の経済関係を広げる方向だ。

ただし、今回の中露首脳会談で、注目すべき点がある。

それは、習氏が首脳会談で「第2次大戦の結果と戦後の国際秩序を守らねばならない」と述べたにもかかわらず、共同声明には歴史認識に関する文言が入らなかったことだ。「歴史認識」については胡錦濤前国家主席とメドベージェフ前大統領時代に強調されていた。

この微妙な変化は、「親日派」のプーチン氏の大統領復帰で、ロシアが対日関係改善に乗り出していることが背景にあると見られる。今年2月には森喜朗元首相がプーチン氏と会談し、プーチン氏が北方領土問題について「引き分け」からの進展を示唆した。4月末には安倍晋三首相がロシアを訪問しプーチン氏と会談する予定も入っている。

ロシアとしても中国は旧ソ連時代からの盟友だが、最近は警戒感が強くなっている。極東ロシア地域の人口は年々減少が続いており、一方で中国からロシアに滞在する中国人は100万人を超え増え続けている。人口13億の中国はロシアにとって脅威なのだ。

プーチン氏の本心はどこにあるのか。そのヒントはすでに昨年3月、『ロシア・プーチン新大統領と帝国の未来』(大川隆法著)の中でプーチン氏の守護霊の霊言によって明かされている。

「あのへん(シベリア)は人口も少ないんでねえ。中国が本気になったら取れるからな。(略)そのへんで日露がガチッと組めて、経済的にうまくいってだね、双方にメリットがあって、かつ、防衛的にも領土の安全が守れるようなことがあるんだったら、四島返還を考えてもいいと思う」

「私は、みんなに嫌われるかもしらんと思いつつ、大統領にもう一回出たけども、中国で革命が起きて内戦状態が起きるなら、やっぱりロシアの政治はしっかりしといたほうがいい。私はそう思ってるんだよ」

「俺が大統領になったことはねえ、君らにとっては福音だよ。知日派の人がロシアの大統領になってくれるっちゅうことはねえ、中国の脅威におびえている今の日本にとって、これほど心強いことはないよ」

知日派のプーチン大統領は、中国と適度な距離を取りつつ、日本とも共闘を組むという「二正面作戦」を、したたかに展開していくと思われる。日本政府もそのシグナルを読み取らねばなるまい。(仁)

【関連記事】

2012年5月号記事 『ロシア・プーチン新大統領と帝国の未来』――守護霊インタヴュー - 公開霊言抜粋レポート

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4032

2013年3月3日付本欄 日露間の協力関係を深めるチャンス 北方領土交渉で極東大規模開発を持ちかけよ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5696