ロシアに対する日本人のイメージはあまり良くないが、ロシアの「日本好き」は本物らしい。31日付朝日新聞は、ロシア極東地域の親日ぶりについて紹介している。

以下は、主な内容。

  • ロシア極東部の沿海地方で行われた国別好感度の調査によれば、最も愛着を感じる国は日本だと答えた人が40%で首位。中国の16%、韓国の15%に大差をつけた。
  • 沿海地方議会のゴルチャコフ議長は、パートナーシップを深めたい国について「日本、次に韓国、中国。現実は逆で、我々と積極的に働こうとしているのは中国、次に韓国、その後が日本。この順番を変えられれば良いと思う」と語った。
  • ウラジオストクでは日本車が大人気で、街を走る車の9割を占める。昨年9月には現地の組立工場でマツダ車の生産が始まり、2月からはトヨタ車の生産も始まる予定。
  • 日本産のリンゴは中国や米国産に比べて6~7倍高いものの、甘くて大きいため大人気。福島原発事故後も市民は日本製品への信頼は揺らいでいない。

このように、ロシア極東地域の人々の日本への信頼はとても篤い。日本の経済的成功が、開発中の極東地域の人々にとって、ある意味で「坂の上の雲」と捉えられているといえよう。親日家で知られるロシアのプーチン大統領も極東地域の開発に力を入れており、日本企業の進出にラブコールを送っている。

しかしながら、内閣府の調査では、ロシアに「親しみを感じる」とする日本人は13.4%、「親しみを感じない」とする者の割合が82.9%となっている。旧ソ連時代の敵対国の意識がまだ続いているのだろう。

ただ、実際にロシアでビジネスを行う日本人からは、「許認可に手間はかかるが意図的に悪さを仕掛けられたことはない」「日本に対して非常に尊敬の念も持っている」「進出した人は、かなりの人がうまくいっている。(ロシアビジネスに)出てこない人たちをどう励ますか」との声があがっている(日本貿易会月報2012年3月号)。

日本企業は現在、数多く中国に進出しているが、中国は尖閣諸島周辺の領海・領空侵犯を繰り返し、反日デモが激化するなど、日本を挑発している。仮に日中間で有事が起こった際、現地の日本企業が事実上の「人質」にとられ、日本の防衛行動を牽制される可能性もある。

反日教育を続ける中国や韓国に「片想い」の企業進出をするよりも、日本にラブコールを送ってくれる親日国でのビジネスチャンスに目を向けていく必要もあるのではないか。(晴)

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