野田佳彦首相が年内の衆院解散の意向を固めたと各紙が12日付夕刊等で報じている。野田首相はこれまで「近いうちに解散する」としながらも先延ばし戦術をとってきたが、ここにきてなぜ一転して解散・総選挙に打って出ようとしているのか。

民主党は衆院で所属議員があと6人離党すれば過半数割れとなり、内閣不信任案が可決されてしまう。そうなれば、野田首相は解散するか、総辞職するかの選択を迫られる。国庫から各政党に配分される政党助成金(年間約320億円)は1月1日時点の所属国会議員の数などをもとに計算されるため、各政党は民主党からの離党工作を水面下で強力に進めており、6人以上の離党はほぼ確実とみられている。

追い込まれて解散させられ、衆院選に突入したら、民主党(現有245議席)は100議席を割り、場合によっては80議席にも届かないことも予測されている。そうなれば、野田首相は「民主党を壊滅させた首相」として歴史に名が刻まれる。それだけは避けたいというのが野田首相の本音だろう。

野田首相はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加を表明する意向を示しているが、民主党からの離党予備軍の多くがTPP参加反対の議員だ。あえて離党予備軍を切り捨てて、TPP反対が根強い自民党との対立軸を鮮明にして総選挙を戦おうという思惑だ。

最も早い日程としては、11月16日解散・27日公示・12月9日投開票が浮上しているが、その次の日程は、11月22日解散・12月4日公示・12月16日投開票で、都知事選の投開票日と同日となる。

あるいは、11月30日が会期末の今国会を延長したうえで年内に解散し、1月に総選挙となるパターンもある。その場合は、1月8日公示・20日投開票が有力だ。

野田首相としては、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会など第三極の選挙準備が整わない、できるだけ早期の日程に持ち込みたいようだ。

週刊誌等は早くも衆院選の獲得議席数を予想している。自民党は現有117議席から大きく伸ばし、160議席以上とされる。民主党は100議席以下の予測が多い。注目の日本維新の会は橋下氏が出馬すれば100議席以上というシミュレーションがある。

結局、一つの党で過半数(現在240議席)を獲得できる政党は出てこないため、第三極も含めた連立政権となる可能性が高い。

第三極の中では、「国民の生活が第一」代表の小沢一郎氏の動きも注目が集まる。陸山会事件の控訴審判決が12日出され、二審も無罪を勝ち取った。今後、第三極の主導権を握ろうと積極的に動き出すだろう。

三度目の国政選挑戦となる幸福実現党も注目される。09年の衆院選で中国の覇権主義の危機を訴え、それが3年経って尖閣問題や中国の空母保有などで現実化している。こうした幸福実現党の先見性を、民主党を全面支援する報道で政権交代へと誘導したマスコミは今回、どう報じるかも一つの焦点だ。

国民の大方の心情は、「民主党はあり得ない。自民党にもまだ任せたくない」というあたりだろう。国民が前回衆院選のような「ミスジャッジ」をしないための公平な報道が求められる。(織)

【関連記事】

2011年8月号記事 民主党政権をつくったマスコミの責任を問う 「国難」は09年衆院選の報道から始まった

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2012年8月号記事 幸福実現党の先見力

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4487

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