幸福実現党(党首・立木秀学)の福島・宮城・山形の3県の本部による「東北人による東北復興のための原発推進集会」が9日、東京の首相官邸前で開かれ、各県からバスを連ねるなどして駈けつけた約350人が、「東北復興に原発は必要だ!」「マスコミは福島の安全を正しく報道せよ!」などと訴えた。

集会には、東日本大震災で停止した福島第一原発のある地元福島のほか、宮城や山形の人々が参加。3県の本部代表を務める内海浩唯氏は次のように語った。「日本の原発は世界一安全。震源に近い宮城県・女川原発の被害はなかった。脱原発は、日本経済を奈落に落とし、中国の日本占領を前進させることに他ならない。今、一番被害を被っている東北人である我々から、原発再稼働を訴えたい」

この集会には、都知事選への出馬を表明したミュージシャンで幸福実現党青年局長のトクマ氏も参加。「原発推進」など3曲を熱唱し、「都知事になったら、福島・宮城・山形の農産物やお米をじゃんじゃん買います」と、放射能汚染の風評被害を受ける東北の人々にメッセージを送った。

その後、幸福実現党・松島弘典幹事長ら4人は内閣府を訪問。野田佳彦首相宛に、(1)「脱原発」方針を撤回し、安全性の確認された原発は早期再稼働を進めること、(2)福島・東北での科学的根拠のない強制移住をやめさせ、適時、安全宣言を発すること、(3) 核エネルギー政策において安全技術体系と危機管理体系を構築し、世界をリードすること、とする要請書を提出。内閣府の担当者は「原発推進を訴えるために東北の方が来られるとは本当に意外です。皆さんの思いは総理に届けます」と話した。

一行はその後、昨年9月から経済産業省の国有地内に居座っているテント村前に移動し、「軍事拡張を進める中国が原発建設を推進している。脱原発運動をするなら、中国で行うべきだ!」と演説。道行く人々からも「脱原発テントは撤去すべきだと思う」という声が複数上がった。

福島県から参加した50代の女性は「マスコミは『原発』と『原爆』を混同しているのではないか。でも、電気代が値上がれば、経済に大打撃だし、寒さの厳しい東北では電力不足は命に関わる問題」と、切実に原発再稼働を求めた。

一方、与党・民主党は8日、次期衆院選のマニフェストの素案を固め、「脱原発依存」を明記した(9日付朝日新聞)。しかし、今回の集会で東北の人々が訴えたように、脱原発を進めれば、東北地方の風評被害は終わらず、復興も進まない。また、中国の脅威にさらされる今、エネルギーや国防の観点からも脱原発は国家として自殺行為である。野田首相は、東北地方の住民の声を真摯に受け止め、一刻も早く、日本全国の原発を動かすべきである。(晴)

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