資源確保のためにアフリカへの投資を進める中国の総投資額が、今年3月時点で4兆円に及んでいることが分かった。28日付日本経済新聞が、中国の鐘建華・アフリカ事務特別代表の話として報じた。

記事は、中国のアフリカ投資の特徴を以下のように指摘する。

  • 投資先は南アフリカ、コンゴ、ナイジェリア、スーダン、南スーダンなど、石油やコバルトなどの資源産出国に集中。
  • 会社数は2000社超で、2010年10月時点の日本の約4倍。
  • 流入する中国人労働者が現地の雇用を奪ったり、プロジェクト終了後も不法に居座ったり、アフリカにおける反中感情が高まっている。

14億人に迫る人口を養うために、多くの資源や食糧が必要なことは理解できる。だが、中国がアフリカでやろうとしているのは、ひと昔前の重商主義に近いものがある。中国が武器を輸出する見返りに、資源の開発権を得たり、財政の弱い政府に金を握らせて、国民が何も聞かされないまま居住区域から強制的に立ち退きを命じられるなどの混乱が、数多く報告されている。

インタビューで鐘特別代表は、アフリカにおける反中感情をかわすために、今後、日本など他国と共同プロジェクトを進めたい考えも示した。

だが、もし日本政府や企業が今後、中国と共にアフリカでのプロジェクトを進めるのであれば、簡単にその誘いに乗るのではなく、中国にひと昔前の古い思想を捨てさせ、貿易によって、モノを売る国も買う国も共に発展し、互いの国民が豊かになる方向へと導くべきだろう。(居)

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