日本の国会に相当する全人代(全国人民代表大会)第四回会議がいよいよ5日に北京で開催される。

4日の各メディアの報道によると、2012年の予算では、国防予算が前年実績値11.2%増6702億元(約8兆7千億円)になるという。2年連続の2桁増で、公表ベースではアメリカに次いで世界2位の規模となる。

李肇星報道官は記者会見で、国防費の伸びは国内総生産(GDP)の伸びよりも低く、国防費のGDP比も1.28%と米国や英国よりも低いとして、「他国の脅威にはならない」と主張している。

一方、わが国の防衛関係費は、約4兆7000億円(23年度)と約半分程度の水準で、しかも年々削減されている。米英との比較はともかく、日本にとっては中国の軍事大国化は明らかに脅威と言えよう。

最近では日本が尖閣諸島の周辺を含む39の無人島に名前をつけて2日に公表したことを受け、中国が対抗措置として71の島に独自に命名するなど、尖閣をめぐるつばぜり合いも生じている。

中国は近年海洋権益の確保に躍起になっており、東シナ海や南シナ海をめぐって、周辺国と摩擦が起こっている。

防衛省防衛研究所も先月「中国安全保障レポート2011」を発表するなど、危機感を高めてはいる。同レポートによれば、中国の哨戒船艇の保有数は約1470だが、日本のそれはわずか460に過ぎない。

日本側も、厳しい財政事情にあるとはいえ、米軍もこれまでのようには頼りにならず、国防関係費の増強を含む防衛体制の見直しが必要だろう。(村)

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