政府は20日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)として、米ロッキード・マーチン社の最新鋭戦闘機「F35」を選定した。

同機は米英豪など9カ国が共同開発しており、政府は2016年にまず4機を導入し、将来的に計42機の配備を目指す。

今回の選定では、F35のほかアメリカの「FA18」(ボーイング社)と、欧州4カ国の共同開発の「ユーロファイター」が候補となっていたが、一川防衛相は「性能面を一番重視した」と述べている。

F35の性能は、レーダーに映りにくい全方位のステルス性はもちろん、ネットワーク力に優れている点が挙げられる。

F35は、人工衛星やイージス艦、地上レーダーなどを結び、高速大容量のデータを共有して作戦を行うネットワーク中心の戦争に初めて対応した戦闘機だ。米空軍に配備されているF22と並び「第5世代戦闘機」に分類される。

機体の各部に埋め込まれたセンサーが得た画像をパイロットのヘルメットのディスプレイに表示することができ、パイロットは透明な飛行機に乗っているように全方位を見通せる。同僚機も情報を共有するので、チームで敵機を迎撃できる。まさにSFの世界が現実化しようとしている。

高速処理できる情報量は、FA18やユーロファイターの10倍もあり、ネットワーク戦では圧倒的な力がある。

高度な要求水準を満たそうとしているため、金属疲労試験で機体に多数の亀裂が生じる恐れが明らかになっているが、開発責任者は十分強化は可能としている。

中国も「第5世代機」として「殲20」の試作機を造っており、2020年までに配備する計画だ。中国外務省の報道局参事官は20日の記者会見で、日本のF35採用について不快感を示したことからすれば、日本のF35選定はひとまず「正しい」選択だったようだ。(織)