2011年12月号記事

大川隆法のスーパー霊能力

「霊言」とは何か -1-

松下幸之助、坂本龍馬、オバマ大統領の守護霊から悪霊、悪魔まで──。幸福の科学・大川隆法総裁の「霊言シリーズ」が毎週のように発刊され、「霊言ブーム」が起きている。だが、いったい「霊言」とは、どのようなものなのか。どのように収録され、その送られてくる“源”は何なのか。その答えに肉薄する。いざ、「霊言」の秘密の扉へ──。

本項は、「大川隆法のスーパー霊能力」 (本誌P18~)

(編集部 小林仁先、赤井宏二、只木友祐)

幸福の科学の霊言に各メディア騒然

「にわかに信じがたい」「世界最大の霊能者」

歴史上の偉人たちが、次々と「霊言」を!

もし、坂本龍馬や西郷隆盛が現代に生きていたら、今の政治や日本に対して何と言うだろう?──そんな夢のような話が、現実に今、起きている。

全国の書店の「大川隆法コーナー」に並ぶ「霊言本」の数々。著名人の名前がずらりと並んでいる。年間発刊点数52冊は、ギネス世界記録にもなった。

「霊言本が立て続けに出てくるので、特に歴史・宗教書コーナーは活気がありますね。大震災後は、何か生きる手がかりを求めてか、半年を経て、じわじわとこういうものを求めている人が増えていると思います。過去の有名人や歴史上の人物がどんどん出て、オールスターで華やかな感じがありますね」(紀伊國屋書店新宿本店、5階担当の藤本浩介さん)

メディアも半信半疑?

だが、「霊言」といっても、現代日本においては、「そもそも霊なんて信じられない」という人も多い中で、どれほど受け入れられているのだろうか。

大川隆法総裁の「霊言」については、これまで様々な雑誌やメディアが取り上げてきたが、その多くは「半信半疑」というスタンスのようだ。

どのような疑問があるのだろうか。

【週刊ポスト】 (2010年2月26日号)「幸福の科学の信者ではない読者からすれば、これらの発言は、“大川氏の口を借りた松下氏”のものではなく、“松下氏の名を借りた大川氏”のものとしか思えない」

【FLASH】 (2010年7月27日号)「内容もにわかには信じがたい」「なぜか偉人たちは、政治の話題になると民主党を批判するのだ。ずいぶん幸福実現党に都合のいい『霊言』だ」

一方では、肯定的な取り上げ方も多数ある。

【『現代にっぽん新宗教百科』】 「大川は公開の場で降臨した霊が語る場面を実演することもあり、松下の場合などは、パナソニックの元社員とも対話させている。その点では、霊言は新しいタイプの自己啓発の手段にもなっていると言える」

次の二誌の記者は、実際に幸福の科学の本部や精舎で、「公開霊言」のDVD映像を見て取材した。

【週刊プレイボーイ】 (2010年9月13日号)「ドラッカーがなぜ日本語で話すことができるのか」

「世界最大の霊能者である大川総裁は、生きている人の霊だって呼べちゃうのだ。(略)ただし、相手が生きている場合、降霊するのは本人の霊ではなく『魂の兄弟』のなかのひとりである“守護霊”だ」

【サイゾー】 (2010年8月号)「政治家から財界人、さらには宇宙人まで霊言しちゃってますけど、これは勝手に降りてきちゃうんですか?」

「今までずっと不思議だったんですが、霊言中は意識はなくなるんですか?」

「さっきから気になっていたのが、大川総裁が話す言葉についてです。中には外国人もいますし、そもそも、ミカエルは人じゃないですよね」

疑問は尽きないが、神々や偉人たち、現在に生きている人の守護霊など、たちどころに「降りて、話す」ということは、一体どういう現象なのか。

まず、かつて霊言や幸福の科学そのものに批判的な立場だった宗教学者・島田裕巳氏に、本誌編集長が因縁のインタビューを試みた。