日本人は海外に比べて子供を多く持ちたいのに、実際にはあきらめている割合が高いことが明らかになった。20日付産経新聞が伝えている。

19日にわかった内閣府の第2回「少子化社会に関する国際意識調査」結果によると、日本では欲しい子供の人数を「2人」と答えた人が51.8%、「3人」が32.5%。2人と3人が合わせて80%を超えたのは、調査対象となった日本、韓国、米、仏、スウェーデンの5カ国中、日本だけだった。

しかし、「今より子供を増やしたいか」という問いには、日本は「増やさない、増やせない」が47.5%と最も多かった。理由のトップは「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(男性44.6%、女性39.5%)。

本誌がかつて掲載した記事によれば、幼稚園から大学まですべて公立や国立に通った場合の平均費用は子供一人あたり約790万円。すべて私立に通った場合は2200万円もかかる。塾に通えばさらに数百万円がプラスされる。これほど費用の差があるにもかかわらず、少なからぬ家庭が無理をしても私立に入れたがる大きな理由は、公立の小中学校の学力レベルが総じて低く、学級崩壊やいじめが多いため、子供を通わせたくないからだ。

裏を返せば、公立の小中学校がもっとよくなり、塾に行かなくても学力や受験勉強に十分対応してもらえるなら、親は安心して子供を公立に行かせることができる。そうすれば子供一人あたりの教育費負担が減り、希望通り子供を2人、3人と持てるようになる。日本の少子化問題を解決するための大きな手立ての一つは、公立学校の中身をよくすることなのだ。(司)

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